N°19 感覚による間隔の調整
Posted by daisco on : 2012.01.05. 23:16:38

田んぼの田。
この字をモリサワ:新ゴ Boldのフォントで表示してみると、見慣れた「田」が出てくる。実は、この田の文字を構成する正方形はひとつとして同じ形は無い。

上画像の赤色の矩形(くけい:長方形のこと)は、すべて同サイズだ。田んぼの各矩形(稲を植える部分)が、微妙にサイズが異なっているのがわかる。また、水色は正方形で、田の字の横線は縦よりも横のほうが若干長いとわかる。さらに、緑色の矩形に着目すると、田の字の真ん中の垂線が最も細く、右が一番太いことがわかる。
これは、フォントベンダー(フォントの会社)のモリサワが手を抜いてこうなってしまったわけではなく、人の錯視を考慮し、緻密に調整された結果だ。
この錯視にはさまざまなケースがある。

上の画像は、Helvetica BoldのKとXだが、それぞれのパーツが直線ではなく、交差する点で若干細くなっている。
また、下の画像は、左が純粋な半円とそれにつづく直線だが、矢印の部分が微妙にとがっているように感じられる。
右が直線をやや膨らませて調整したものだ。こちらのほうが自然に見える。
これらの調整は、感覚に頼るしかない。
整列ツールを使ったり、グリッドに揃えたりして機械的に調整した後に、バランスが悪いと感じたならば、その感覚を信じて調整する必要があるのだ。
この微妙なニュアンスは、今回のようにフォントを分解してみると参考になる。そして、それがロゴ・マークなどを作るときに生きてくるだろう。
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